こんにちは、Tomoです。
今日はミートソースについてお話しようと思います。
誰でも知っているし、とても馴染みの深いパスタソースだと思います。
上の写真はTagliatelle ragu di Bolognese タリアテッレ ラグー ディ ボロネーゼ です。
タリアテッレは平打ちの手打ちパスタの名前です。
ボロネーゼ?
ミートソースと何が違うの?と思いますよね。
ミートソースはアメリカ経由で伝わった言葉で、ボロネーゼはイタリアのラグー ディ ボロネーゼから来ています。
ミートソース=お肉 ソース でそのままですね。
ラグー ディ ボロネーゼ Ragu di bologneseの意味は
ボローニャ風ラグーソース ボローニャ(イタリアの地方の名前です。)のラグーです。
おそらく日本でミートソースと呼ばれるのはこちらが一番イメージが近いと思います。
このさっきから出てくるRagu ラグー というのは主に煮込みソースの事を指します。
お肉などを野菜やワインを使ってコトコト煮込んだ料理です。
もちろん野菜だけでも作れますし魚介類でも作ります。
魚だと、
ragu di pesce
pasce→魚の意なので魚を使った煮込みソース。
となるわけです。
状態はミンチにしたり大きめにカットしたりと様々ですが、そのまま単体で食べるのではなく、何かにかけたり絡めて食べるので一緒に食べやすいカットにします。
イタリア伝統料理の教科書とも呼べる
『Le Ricette Regionali Italiane /Anna Cosetti della Salda』
によると
Ragu di Bolognese
ボローニャ風ラグーソースの材料は
牛肉、仔牛、豚肉、パンチェッタ、赤ワイン、香味野菜、ブロード
とあります。
ボローニャ風と言ったらこれらのお肉で作ります。
この本のレシピは一つですが実際はたくさんの作り方があります。
それではボローニャ風ラグーソースの作り方を特徴別に見ていきましょう。
- 挽肉をよく炒めるver
まず挽き肉をフライパンや鍋でよーく炒めます。
ミンチ肉の水分が無くなりパラパラとしてきます。
さらに炒め、お肉が茶色く色づいて少しカリカリとしてきたら赤ワインを加えます。
ここからは香味野菜を炒めた物(ソッフリット言います)、パンチェッタ、ブロードを加えて煮こみます。
この作り方の特徴は
お肉をしっかりと炒める事でメイラード反応を起こし、それをソースに溶かし込む事で旨味を引き出すという事です。
端肉や筋も使う事が出来ますが、
デメリットとしてお肉がパサついてしまうと言う事です。
この作り方ではお肉は完全に脇役でその旨味の溶け出したソースが主役なのです。
こちらはイタリアの文献など見比べるとかなり以前からの作り方だとみうけられます。
おそらく食用に動物を解体し、焼いて食べられる部位は焼いて食べ、それ以外の硬い部分を細かくミンチにして煮込んで柔らかくして食べていたため、このような作り方になったのだと思います。
- ハンバーグver
こちらはお肉をハンバーグ状にして、両面に焼き色をつけるやり方です。旨味の素となるメイラード反応は両面の焼き色で起こし、ハンバーグの中の部分は生の状態の為ふっくらとした状態で仕上がります。
上記2パターンのいいとこどりと言ったところでしょうか。
- 肉大きめカットver
こちらはお肉をミンチ状にしないで塊肉を大きめにカットして作るやり方です。
大きめにカットしたお肉がパサパサにならないように煮込み時間を調節します。
美味しいお肉を美味しい状態で食べてもらうという考え方ですね。
- お肉を全く炒めないver
お肉をミンチにして全く炒めない作り方です。
なかなか珍しい作り方ですが(どうしても慣例的にお肉を炒めたくなってしまうのです。)『手をかけない』という選択も大切な作り方なのです。
炒めた香味野菜(ソッフリット)の中に生のミンチ肉、トマトペーストを加えよく混ぜながらゆっくり煮ていきます。
ここでトマトソースやトマトホール缶ではなくトマトを煮詰めたトマトペーストを使うのがポイントで、トマトペーストはすでに水分が飛んでいるためミンチ肉はお肉自身に水分で蒸し煮のような状態になります。
ふっくらと蒸されたお肉にトマトペーストが絡み油が赤くなってきます。
そこに赤ワイン、ブロードを加え煮込むことで全体がなじみ優しく味わい深いラグーソースの出来上がりです。
まとめ
ミートソースひとつ取ってみてもそれぞれに特徴があり、多くのテクニックが凝縮されています。
どれが正解でどれが間違っているということではなく、なぜそうするのかをよく考え、理論を理解し結果に結びつけていくことが大切です。
その作業を繰り返すことで自分の引き出しを増やしていくのです。
毎日忙しい中で常に正確な判断をし続けるのは、アスリートの競技中と同じくらい大変なことです。
いつもと違う何かが起きた時、迅速に正確に対応することができるかを決めるのは今までの経験から作り上げられた自分の引き出しの多さで決まります。
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